絶不調のなかで

それは突然やってくる。

昨日、目覚めても頭の中は砂がつまったよう。起き上がって朝食の用意をしていればじわじわ覚めてくる頭もいつまでたっても稼働しない。

こんな日に限って、いつも私を助けてくれる朝4時の小人さんも「今日は無理」と起き上がってくれなかったので、起きてきたらご飯も洗濯もゴミ出しもすんでるわっ・・というわけにはなっていない。

まったく、肝心な時に役に立たない。。と愚痴るがしょうがない、同一人物なんだから。

夫が「じゃあ頑張ってくるね」と二階に上がっていくのも、息子が「そんじゃ」とやはり階段を上がっていくのにもお愛想程度に

「がんばりや」と右手をちょっとだけあげ、見送る。

そこからだった。

エンジンがかかるまでのつもりでイケアの椅子に体を預けたらもう、動けない。

言葉通り動けない。体が鉛のように重く沈んでゆく。頭痛。意識低下。腕も瞼すらも重い。

たった1日前、調子良く動き回っていただけに何がどうなってんだかわけがわからないが、それこそが私の身体の特徴だ。理屈じゃない。ダメは突然やってくる。

ああ、きたかぁ。。。。

外に出れば少しはすっきりするかとスーパーに行くが、何を買ったらいいのか、何を作ったらいいのかわからない。

意味なく油揚げと、豚バラ肉と厚揚げを買って、具合の悪い自分へのお見舞いに、水羊羹と低糖質のアイスクリームもカゴに入れた。

なにか自分に優しく特別なことをしてあげたかったのだ。

豚バラを買ったのに、献立を組み立てる思考回路が動かず、結局冷凍庫の鳥もも肉を使ってカレーを作る。

こんな日は、カレーで逃げるのだ。

それに、先日の牛肉と玉葱の甘辛煮が残っているからそれもつけよう。サラダは無理。プチトマトを洗って6粒づつ。

カレーと甘辛煮が合うか合わないかはこの際関係ない。とにかく並べて賑やかにそれっぽくする。

あとはずっと転がっていた。

二人は二階。私は一階。

二人は知らない。下で絶不調で朦朧としているとは。

それでも。一人っきりでうずくまりながらこの幸福感はなんだろう。

安心感。

家族ってこういうことだな。

元気な時は出かけていけば開放感で気持ちは弾むのに、勝手なもんだ。

雨の音。毛布にくるまって。頭痛薬を飲んでじっとやりすごす。

今日。

雨は止んだ。体もやや戻ってきた。

二人は出社。ラッキーと浮かれるところを見ると、もう大丈夫。

よし。今夜は厚揚げを豚バラで巻いて焼こう。