放心状態

いろいろお騒がせしました。

私のことを、こんなに親身になってくれる人が、それも会ったことない人がいるという事実。

なんて恵まれているんだろうと、しみじみ思います。

ありがとうございます。

今回のことは亡き父の手荒い采配だった気がします。

夫との間にあった、日々感じていた小さなズレ、だけど口に出して指摘するほどのものでもない、あえて放置していた小さな小さなズレを修復しました。

普段私たちはニュアンスでやりとりしているので今回、隅々まで感じ方や考えをきっちり照らし合わせたことは収穫です。

次はもっと理解もしやすいのではないかと期待しています。

すごく腹が立ち、悲しく、落ち込んだ分、また家族になった。

もともと家族だけれど、もっと家族になった。こうして肉親になっていくんだなあ。

私が隠した焼き鮭を、食べようと冷蔵庫を開けたらなくて

「あれっ、あれっ、僕の鮭、あれっ」

懸命に探すあの声を思い出し、今はおかしくて笑いが込み上げる。

 

母とは泣きつきに行ったその翌日、さらに深く話しました。

80の老人に向かって心を痛めるようなことを言ってしまった。

人と自分を比べないことよと、笑いながら言われつい、

「だって比べてきたじゃない」

と返してしまった。言うつもりのない言葉だった。

びっくりした顔をしている。

「ひどいこと言ってしまった。ごめん、ごめんね」

責める気はないのだと慌てる私に彼女は強かった。

「だって本当のことだもん。あなた本当に馬鹿なんだもん。お姉さんのために産んだのも、そうよ、本当のことだもん。」

馬鹿ですねぇと笑う。

すごい。叶わない。

姉にもやっぱり叶わない。

もういいや。馬鹿で。

3人の中でいちばんダメな子の私を、二人が「あの子、またなんか悩んでるよ」と笑いながら見守っている。

それでいい。それってすごく幸せなことなんだ。

「やっぱりこんなことで狼狽えるのは精神的に病んでいるからなのよ。健全な奥さんだったらきっと、何馬鹿なことやってんのって笑いながら怒る程度のことだったのにできなかった」

「病んでないって」

いや、表面上はそうふるまっているけど違う。病んだ部分がある、私には。

「病んでるんだってば。そこをしっかり治したいのに、わかっているのに治せないから苦しいんだよ」

ベェベェベェ。

「じゃ、いーじゃない、病んでんなら病んでるままで」

笑う。

「だってさ、この歳になって母親にひどいこと言って。言っとくけど誰も悪くないんだからね。私が、あのとき、もっと自分の気持ちを強く言えればよかったのよ、自立していなかったから、自分に自信がないもんだから、お母さんが悪いわけじゃないのよ」

このときのセリフも良かった。

「あら、そうよ。もうこの歳になって今更何か言われても知らないわよ。悪いことしたなあとは思っても、もう知らないわよ、自分が生きていくので精一杯」

やっぱ強え。ゆみちゃん、強えぇ。

私を安心させるためかもしれないが、知らないもーんと本気で言っている姿に救われた。

ここで泣きながら詫びられたら、それこそ一生立ち直れなかったろう。

母は私の恨言を見事に聞いて受け止め、そして見事に流した。

こっち側との関係はその翌日からスッキリわだかまりが消えていると、そう簡単に期待したようにはいかないようだ。

あれから数日の間にも、まだ変な癖が頭を出しては言われた言葉にいじけかける。

でも今はその度に「そこに強い強い愛があるのは知っている」と自分に教える。

 

ハードな一週間だった。

正直今は放心状態。

病気も精神不安も状況は変わってないが、舵をぐっといい方向に切れた実感がある。

疲労感が今頃になってやってきた。

安心していいんだ。

もう膿は全部出した。

頭の切り替えがついていけず、しばらく切ったところが疼くだろう。

リハビリのように少しづつ日常に戻っていこう。

でもその日常は今までとちょっと違う。

膿は出した。思い当たるところは全部出した。

ちゃんと、しっかり、安心しよう。

 

本当に皆さんありがとう。

ああ、生きてるって恥ずかしい。。。主に私の場合。