お役にたてずとも

安倍首相がまだご存命だった頃、「ニッポン一億総活躍プラン」が策定された。

その当時、まだ精神的にも身体的にも弱かった私は、この言葉にすこし戸惑った。

正確に言うと落ち込んだ。

自分は役に立つようなことはなにもできない。社会に対して活躍していないし、これからもきっとできない。

落ちこぼれ確定となったような悲しさを感じた。

きちんと理解すれば、職場でも家庭でも地域でも、どこでもいい、障害を抱えている人も一度躓いた人もみんなが社会に何らかの形で貢献できる社会・・そいういう意味を含んでいたのだから、ただ単に言葉の響きから私が勝手にいじけただけのことである。

あれから8年が経った。

今、私はあの頃よりはだいぶ体力がついた。

体力がつくと発想も考え方もシャキッとしてきたように思う。

だからといって積極的に役に立つ人材に成長したかといえば、そこはさほど変わっていない。

家族に迷惑をかける度合いが減ったかなということくらいだ。

 

実のところ、以前ほど社会のお役になどと考えていない。

できるだけ朗らかに、ユーモアをわすれず過ごす。

自分と人と比べることはしない。

不機嫌になりそうになったら体を休め、自分を甘やかす。

そうやって負のオーラを振り撒かないように、それだけを意識している。

ピカピカ光った特別の人にならなくていい。

一目置かれたり、尊敬されたり、憧れられたりしなくていい。

誰の目にもとまらなくていい。

家族と仲良く、心穏やかに、いつも陽の空気をまとっていられるよう、それを願っている。

 

だからなに。

何が言いたい。

・・・。

つまり、その、最近、こんなへんてこりんな自分が結構好きになってきたということ。

そんなことにふと、気がついて、ちょっといい気分だということ。

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