これよこれ

観ていた海外ドラマシリーズがだんだんと暗い方向に話が向かっている。

大きな流れのなかのほんのいっときのことで、ここを乗り越えたらまた初めの頃の華やかでユーモアのある楽しい雰囲気に戻るだろうと辛抱して見続ける。

しかし乗り越えて落ち着くどころか、時代の流れとともに景気も登場人物たちの身に起きる事件もどんどん深刻になり、陽気で可愛らしかった子供たちも青年になるとやさぐれた皮肉屋になってきた。

まあこの人たちも苦労したもんねぇ。

嫌悪感をもたないよう、なんとか自分に言い聞かせ、あとちょっとの辛抱、あとちょっと、次の話はきっといいことがある、と祈るような思いで見続ける。

だが、これは半分実話をもとにしているので、ここからは暗くなるしかないのだった。

歴史上、決まっている事実を思い返せば逃げ道はない。

6シリーズあるなかの4まできて、今更放り出すのもなんだか、なにかに負けたようだ。半ば義務のようになってきた。

昨日、元気がでないのはこれのせいじゃないかとふと、思った。

これが原因とは言わないが、体調不良や家族とのやりとりで落ち込んだところに気分転換のつもりで観ているはずがのものが、却って拍車をかけているのでは。

そうおもって、検索した。

勧善懲悪、サクセスストーリ、ハッピーエンドの海外ドラマ。

でてきたものは、もうすでに観た作品と、あとはハラハラドキドキするけれど最後はハッピーエンド、いじめられるけど最後は復讐する、どれも物騒なものが多い。

今はそれに持ち堪えるだけのパワーはない。

そこで、いきついたのは、王道の赤毛のアン若草物語

美しく、やさしく、安心して観ていられる。

場面転換も会話もゆっくりで、意味深げな伏線も裏切り者もいない。

疲れ切った身体を湯船に浸からせたたときに漏れる「あぁ・・・・」というあの安堵感。

これこれ。これよ。

しばらくリハビリにこれを観る。

例のドキュメンタリードラマも並行して、1話の半分、3分の1と、本を数ページ読んでは閉じるような感じで続けていこう。