絶不調なレンジ

朝起きあがると頭痛と眩暈。

うう。一晩寝ればと期待したが、ダメか。雨がやめば楽になると思ったのに。

しばらく梅雨があけるまではこんな感じでいくしかないと、そうっと体をおこす。

ちょっとの振動でも頭に響くのだ。

朝の支度にレンジでオムレツをしようとしかけたが、いつまで経ってもチンと言わない。

おっかしいな。セットし忘れたかな。

再度ボタンを押して庫内を覗き込みながら待つ。

すると途中でバチッとショートしたような音がして小さく火花がでた。

そしてそのまま動き続けチンと鳴ったが全然温まっていない。

何度もやってみたが同じだった。

壊れた。息子が小学生の時にかったオーブンレンジ。あっけなく。

その日は突然やってくるとは、私の不調と同じではないか。

今、レンジが消えたら困る。

この絶不調、レンジなくしてどうやって乗り切るのだ。

夫も息子も食べる時間はバラバラなのでどうしても温め直しに使う。

トースターや鍋で温め直すというやり方ももちろんあるが、彼らはそれを拒む。

めんどうなのと、できないのと。

すべて私の教育の至らぬがゆえなのだが、奴らはガスとトースターでの温め直しをしない。

第一不調のとき、冷凍庫のアレをチンして並べるという逃げ道もなくなる。

 

焦ってネットで検索するが、まさかの事態が待っていた。

エアコンだけではない。オーブンレンジも、中国の工場閉鎖のため手に入らない。

在庫がないのだ。

なんでもいいのなら、確かにすぐ届けてもらえるのはあるが、ずっと使う家電、妥協したくはない。きっと使いながらずっと後悔するだろう。

眩暈と頭痛でヘロヘロな状態でも、ここは頑張らないと。

あちこち電話をし、サイズを確認したり口コミをみたり。

あ、これがいいと思えば在庫なし。

サイズのあうのと、在庫のあるもので絞り込むともう贅沢は言っていられない。

一ヶ月待つなんてできないのだ。

 

結局、たったさっき、見つけた。

シャープのヘルシオじゃない、ベーシックラインのスチームオーブンレンジ。

5万8000円。設置料込み。

スチームオーブンたる機能がつかいこなせるのかやや不安だが、それしかないのだ。

今、手配できるものは。

レンジ機能はしっかりついているのだから、とにかく安心だと自分に言い聞かせる。

 

一日中、びっちりパソコンに向き合って弱い頭を使って集中させて放心状態だ。

こんなときこそ、レンチンで乗り切りたいところだが、そうはいかない。

オーブントースターで唐揚げもどきをつくる。

届くのは日曜日。

明日は当然、カレーだ。

カレーってえらいなあ。

新しいのが届いて設置して試運転してみるまで、なんだか落ち着かない。

おちつけ、わたし。

どうってことない。たいしたことじゃない。