餃子20個

餃子を作った。大判サイズの皮で包んだのが20個できた。

母のところに持って行ってやろうか。今日は夜から体操教室だから夕飯の支度に便利だろう。

いや、昨日彼女は友達とアウトレットに出かけたからその帰り、晩御飯用に便利なおかずを買って用意しているかもしれない。

「餃子作ってんの?」

そうだよ。

「それ、今晩?」

そうだよ。

「イェーイ」

息子が覗いて喜んだ。そんなに評判がいいならやはり全部うちのにしようか。

予定では7個づつ、残りは野菜たっぷりのスープに入れてワンタンみたいにしようと思っていた。冷蔵庫に麻婆豆腐が残っているから、あとはそれ。と、トマトかな。

母にもっていってやろうか。

持って行って大喜びするときと、ちょっと面倒くさそうにするときとある。

頭の中で今日はこれと決めているものがあるときは、邪魔になる。

「あなたのところで食べなさいよ」

「冷凍できるよ」

じゃあもらっとくわと受け取ることもあるが、なんだか押し売りのようだ。

自己満足を押し付けちゃいかんと、持ち帰ることもある。

それはそれでなんだか間抜けでちょびっと切ない。

余った豚ひき肉とピーマンと玉ねぎを甘辛く炒めて片栗粉でまとめた。

すこしだけオイスターソースを足す。

もし、母に持って行くとしたら餃子の数が減るからもう一品、保険だ。

麻婆豆腐、餃子、これ、でもいいっか。

午前中が終わっちゃう。向こうも夕方前に支度するだろうから差し入れるなら早いほうがいい。

作り終わってからもう二時間。二世帯の扉隔てたこっちであれこれ思案する。

 

 

で、持って行った。

喜んだ。

今日は体操教室の前に歯医者だそうだ。

「たすかった」

うれしい。