今日はこれから友人に会いにいく。
お互いの中間地点、二子玉川の改札出てすぐのスタバでお茶をする。
彼女とはアルバイトで出会った。
バイトに向かう道すがら、声を掛け、知り合い、今に至る。
二人とも人見知りで自分から友達になろうと近寄ったりしないたちなのに、なぜか互いの存在を知った瞬間、「あ、繋がる人だ」と感じたものだから、おっかなびっくり誘うというより「さっさと友達になる手続きすませちまおうぜ」といった感じだった。
向こうも全く同じことを思っていたそうだ。
「あ、あそこにいるいるって。声かけないとって思ってた」。
初めて会話した日、やっとだねと二人、笑った。
それが私が21、彼女が19の出会いだった。
付かず離れず、2年3年会わないこともざらだったが、距離があいている心配はしたことがない。突然ふらりと会社帰りにやってきて、しゃべって帰ることもあった。
いつもすっぴんでボロボロの格好の私だが、抵抗なく、抱き締めた。
コロナがはじまり、仕事のストレスと持病が重なり今は休職している。
私と違って大手企業の秘書として華々しく活躍していたから、さぞかし無念だったろう。
負けず嫌いで、向上心が強い。
ギリギリまで頑張るから、あるとき突然崩れて泣きべそをかく。
中学のときにご両親を相次いで亡くし、年の離れたお兄さんがいるものの、お兄さんも所帯をもってからは遠慮して近寄らず一人で生きてきた。
甘ったれの私の数倍強い。
それでも私は彼女の呼びかけに飛んでいかねばといつも思う。
あの子が会いたいというときは、いつも苦しくなってから。
そして、苦しい内容には一切ふれずにニコニコ笑っているのだ。
だから私も笑って終わる。
ぎゅうって抱きしめてやりたい。
でも、彼女はそれを望まない。きっとそんなことしたら、崩れてしまう。
それくらい張り詰めたところで生きている。
今日も私はただ、馬鹿な話をして、帰ってくる。