絶対天気のせいだ。
曇ったり降ったり、かと思うと毎日こんなだといいのにと思うようなカラッとした晴天。
それに連動して寒かったりそうでもなかったり、暑かったり。
運動神経と反射神経とどちらも鈍いわたしはこういうのに反応する力が弱い。
学校も会社も新学期新年度、生活が大きく変わったときは基本、3を区切りで順応した。
まず三ヶ月。三週間では適応できず、最低三ヶ月、どうにか慣れてこなせるようになるのがいつも三ヶ月。
それからしばらくどうにかこうにかのアップアップが長い。
緊張がほどけ生活のリズムや自分なりのコツが掴めたと感じるのが三年目。
結婚生活もそうだった。
子供を幼稚園に入れたら保護者としての役割とママ付き合いに慣れたぞいうころに卒園。
そんな鈍い私が一週間のうちにこれだけ変動する天候に機敏に反応できるわけがない。
昨日も買い物に出た後は家にこもっていた。
YouTubeで見つけた動画で、外国のDJが日本の歌手のミュージックビデオを鑑賞しながらそのリアクションを自分で配信しているのが面白い。
プロの海外の業界人が日本のアーティストのレベルの高さに驚嘆し興奮する。
玉置浩二、ポルノグラフティ、MISIAにゴスペラーズ。しぶいところでは夏川りみ。
歌唱力で定評のある歌手のパフォーマンスに配信している青年DJが鳥肌を立て、ときに涙ぐみ感動しているのを見ているのが実に気持ちいい。
そうだろそうだろ。すごいだろう。
「みんな、他にも日本人のすごいアーティストを教えてくれ」
するとコメント欄から閲覧している人たちが、また別の誇れる歌い手を教える。
彼が特に衝撃をうけたのはどうも玉置浩二のメロディのようで、againと称しもう一度聴き入って涙ぐんでいた。
あるとき友人のDJ、歌手、プロデューサーを連れてきてこれを見せる。
すると彼もびっくり興奮する。なんじゃこれはっ!というように体を揺らし、頭を覆う。
それに対して今度は青年DJが得意になって笑うのだ。
な。すげーだろ。
民族の違いからか反応が派手だ。私はどちらかというと感動を密かに噛み締める。
感動していることを知られるのは恥ずかしい。
自分はひっそり何度も見返し、心の底でじんわり味わうタイプなので、彼らのようにストレートに表現している様子に始めは驚いた。
が、なんの関係もないのなぜか、得意になる。
妙な優越感に浸りながらこの一連の動画を昨日はずっと見続けていた。
なんにもやる気のないまま、画面を眺めていた私の頬がニヤニヤと緩み目尻は下がる。