週末深夜に発熱した。
思えば先週、やたら眠くだるかったがあれは、その前兆だったのかもしれない。
この季節、なんでもかんでも気圧のせいの気がするのでうっかり本当の体調不良を見逃してしまう。気圧の不安定も体調不良への一因になっているのかもしれないから、やはり、気圧のせい、は正解なのか。
胃が痛く、お腹が若干緩かった。
しかし、せっかく最近食事の量を増やしなんとかそれに心も体も馴染んできたところだったのでここでご飯を減らすことが怖い。
胃をさすりながらきっちりいつも通りに食べるので、家族に私の不調は伝わらない。
食べているが、頭も体も重いので機嫌は悪い。
一番タチが悪い。
静かに横になって「ごめんね」と言っている方が彼らは心穏やかだろう。
ここぞとばかりにピザを頼み、ポテトチップと柿の種で楽しい夕食をとれる。
それは最後の切り札だ。冷蔵庫には2日前に買った鶏肉があるのだ。
カレーだカレー。
朦朧としながら作るとき、へんに凝ったものをこしらえないほうがいい。これまでなんどそれで怪しいものを食卓に並べたことか。
結婚28年の専業主婦、バーモントカレーの箱裏をじっくり読み、グラム単位で肉、野菜を用意する。㎖単位で測った水を入れ、煮込み時間もハウス研究所の言う通り。
ぼうっとしているから、いつまでも玉ねぎを炒めるのも飽きることなく延々とやる。
単調な作業をすぐはしょりたがり、なんとか時短できないかと電子レンジで熱をいれたりなどと裏技を使った気になって作るいつもの雑なものよりも、ずっと謙虚で真面目なカレーが出来上がる。
これで、不満がでたとしても私のせいではない。文句はハウスにってくれ。
ところが。
「きょうのカレーすごくおいしい」
「なにか変えた?」
いつものルーです。いつもの手順です。
ただ、素人の思いつきで余計な小賢しいことをしなかっただけですがな。
「しんどかったから箱のとーりに、そのとーりに作った」
「それそれそれ。余計なことすな。カレーはハウスに任せとけと前にも言ったろうが。」
「あ、父さんはトンさんのつくるカレーはどれもおいしいよ」
「うそつけ、さっき、今日のって言ってたじゃねえかよ」
「あ、だから今日のは特別ってことだよ」
はいはい、つまりこいうことですね。
体調がもどっても、今後カレーに関してはおとなしくメーカーの言う通りにしろと。
土曜の深夜にでた熱は月曜の今朝にはすっかり下がり機嫌もよくなった。
いつものように元気に威張っている。