昨夜、もう寝ようと寝室に上がっていくと、それを待ち構えていたかのように息子が自分の部屋の扉を開けた。
「母さん、あのさ、別にもう怒っていないけどさ、一応ね。Twitter見てたら、今SNSで荷物を送りましたけれど不在でしたので、受け取るにはここをクリックして下さいってメッセージが来て、それをクリックすると、詐欺のサイトに繋がるってのが横行してるんだって。」
あう。まだ言うか。それ。
しかし口答えできるわけもなく、大人しく
「わかった、気を付ける」
と答える。
「クリックしたら、自動的に、自分の端末とかパソコンから周囲に拡散するようになってて、知らないうちに自分も加害者になってるんだって、だから、そう言うのが来たらだな、絶対に・・」
「うん、絶対に触らないようにするね。もし怪しいと思ったら必ず呼ぶよ」
いちいち呼ばれるのはめんどくさいと思ったのか、いや別に呼ばなくてもいいけどと、息子はいった。
それを聞きつけた夫が階段を上がってきて、何々?と加わる。
もう一度説明する息子に「オッケー了解」と答え、彼も私に「トンさんも知らない人からの声には返事しないこと」と笑顔で念を押す。
わかってるってばぁ!もう。と出そうになるが、ハッ気が付く。
これだ。
わかってるってばと、憤慨しながらわかってないから、ああいう事態をやらかしたのだ。
そうは言ってもこれは大丈夫、私はひっかからない。
こう思っている人こそ危ないんだってと、いつか世間話で自分自身言ってたくせに、危ないものに急接近したのだから、つまり私が、要注意人物なのだった。
「気をつけような」と男二人解散して行ったが、あの連携はもしかすると私のことかもしれん。