朝昼晩のおかずのことばかり考えている。
作り置きを作ったものの家族の評判がよくなかったり、意外と展開がなかっり、まだまだ修行が足りない。
困り果てて、半ばヤケで作った、モヤシを豚肉で巻いてチンしただけのものが評判がよかったりすると、料理ってなんだろうと不思議になる。
あれこれ小さじ2分の1ずつ混ぜ合わせ、素材を順番に分けて弱火でじっくり仕上げたりしたものは、やはり複雑な味になる。
「どしたのこれ、お手製?」
「うん、美味しい?」
「うん、美味しい」
ああ、やっぱり面倒がらずに手をかけるといいお味になるんだ。
そうかと思うと張り切って、香辛料をきかせたカレーを出すと、男チームは無口に匙を口に運ぶ。
「・・・どう?今日のカレー」
「ルー変えた?」
「というか、スパイスから作った。真面目に」
「僕は不真面目な方がいいかなあ。いわゆるりんごと蜂蜜の入ってるやつ」
「俺も」
ハンバーグもそう。餃子もそう。
毎回大きく外しはしないが、「これこれこれこれ、これだよなあ」というところにまでいかない。肉とネギと油の愛称でそこそこのものには必ずなる。
しかし、同じ調味料を同じように入れているのに、微妙に味や、口に残る風味、肉汁、定まらない。
母さんのあれ食べたいと、そう言われる一品を得意になってレシピも何も見ずささっと作る。
そいういう自分を夢見て、不器用な私の三食作る自粛月間は続く。
作ったそばから、食べてくれる家族がいること。嬉しい。